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親権を望む方へ親権の判断基準と決めるまでの流れを解説します

2022-07-15

「子どもの親権者はどのような基準で決定されるのでしょうか?」

といったご相談を受けるケースがよくあります。

 

日本では婚姻中は夫婦の共同親権となりますが、離婚後は共同親権が認められていません。単独親権となるので、どちらの親が離婚後の親権者になるのかを決める必要があります。

 

両方の親が親権を希望すると、大きなトラブルになるケースも多々あります。親権を取得するため、法的な判断基準を押さえておきましょう。

 

今回は親権者の判断基準や決定するまでの流れを解説しますので、親権を取得したい方はぜひ参考にしてみてください。

 

親権者の判断基準

親権とは、子どもの財産を管理し、養育看護する権利です。

離婚後の親権者は母親か父親のどちらかになるので、離婚の際にはどちらの親が離婚後の親権者となるのかを決めなければなりません。

 

両者が争っている場合、裁判所は以下のような基準で親権者を判断します。

 

  • これまでの養育実績が高い
  • 現在の子どもとの関係が良好
  • 離婚後、子どもの養育に労力や時間をかけられる
  • 現状子どもと一緒に暮らしており、子どもが落ち着いて生活になじんでいる
  • 子どもが愛着を持っている
  • 心身共に健康
  • 経済状態に問題がない
  • 離婚後の面会交流に積極的
  • 子どもが乳幼児の場合、母親が優先される
  • 子どもが15歳以上になると子どもが親権者を選べる

 

上記のような親は親権者の判断で有利になりやすいといえるでしょう。

以下ではポイントとなる2点を示します。

 

子どもと一緒に過ごせる時間が長い

離婚後に親権を取得したければ、生活スケジュールにおいてなるべく子どもと一緒に過ごせる時間が長いと有利になります。

たとえば経済力がなくても子どもと一緒に過ごす時間を長く取れる母親は有利になるケースが多数です。生活保護を受けていても親権者になることは可能です。

一方、経済力があっても仕事に忙しい父親は親権争いで不利になりがちです。

相手から「経済力がないから親権者にはなれない」と言われても、あきらめる必要はありません。

 

別居している場合、子どもと一緒に暮らしている側が有利

離婚前に別居した場合、子どもと一緒に暮らしている親が有利になるケースが多数です。

「両親の離婚にともなって、何度も子どもの環境を変化させるのは好ましくない」という裁判所の判断があるためです。

親権を取得したいなら、別居の際に子どもと離れないようにしましょう。

たとえば夫と別居する際に「後で迎えに来る」と考えて子どもをおいて出ると、親権者になれないリスクが高まります。それどころか面会交流もまともにさせてもらえなくなる可能性もあるので、くれぐれも子どもとは離れないようにしましょう。

 

 

乳幼児の場合、母親が有利

子どもが0~3歳程度の乳幼児の場合には母親が有利になります。

学童期に入ってくると、徐々に父親に親権が認められる事例も増えてきます。

10歳くらいになると子どもの希望も考慮されるようになり、15歳になると基本的に子ども自身が親権者を選べます。

このように、子どもの年齢も親権の判断に影響します。ただ小さいうちは子どもは親権者を選べないので「どちらの親と住みたい?」などの質問をしないようにしましょう。

 

不倫と親権の関係について

不倫しても親権者になれる可能性はあります。ただし不倫相手と同居している場合、不倫相手を「お父さん」と呼ばせて実親と一切会わせない場合などには不利になるリスクも高まります。

 

不倫していて親権を取得したいなら、状況に応じた対処方をとらねばなりません。自己判断せずに弁護士へ相談しましょう。

 

親権を決めるまでの流れ

親権者を決めるまでの流れは概ね以下のとおりです。

STEP1 裁判外で協議する

まずは親同士が裁判外で話し合い、協議するのが一般的です。

話し合いで合意できれば、離婚届に親権者を記載して提出しましょう。

そうすれば戸籍が書き換わって届け出た方の親を親権者としてもらえます。

STEP2 離婚調停で話し合う

自分たちだけで話し合っても親権者を決められない場合には、離婚調停を申し立てましょう。調停では調停委員が間に入って両者の意見を調整してくれます。

 

ただし調停はあくまで話し合いなので、どちらかの親が譲らないと解決できません。

双方が親権を譲らない場合、調停は不成立となって終了します。

 

 

STEP3 離婚訴訟で決定される

調停も不成立となった場合、親権者の判断は離婚訴訟へと持ち越されます。

どちらかの親が離婚訴訟を提起すると訴訟手続が進められ、最終的に裁判官が判決で親権者を指定します。

その際には上記でご紹介した判断基準によって判断されることとなります。

 

また離婚訴訟では「調査官」によって親権に関する調査が行われます。

裁判官は調査官調査の結果に大きく影響されるので、調査官がどういった意見を出すかは当事者にとって重大事といえるでしょう。

 

調査の内容

家庭裁判所調査官による調査内容は、概ね以下のようなものとなります。

 

  • 両親からの聞き取り
  • 家庭訪問をして子どもの現状を把握
  • 学校や幼稚園への訪問、担当の先生からの聞き取り調査
  • 別居親との面会交流場面を観察

 

親権者になりたいなら、調査官調査に適切に対応しましょう。

 

親権を取得するためにすべきこと

親権を取得したいなら、以下のような行動をとるようおすすめします。

資料を揃える

まずは自分が親権者としてふさわしいことを示す資料を用意しましょう。

たとえば子どもが小さいときからつけていた養育日記や母子手帳、子どもと一緒に写っている写真や学校・幼稚園との連絡帳、これまでの経緯や今後の養育方針をまとめた陳述書などが有用となるケースが多数です。

何を集めればよいかわからない場合、弁護士までご相談ください。

親権の判断基準を知る

親権者の判断基準を知らないと、適切に対応できません。冒頭で紹介したポイントをもとに、法的な判断基準を押さえましょう。

別居時に子どもと離れない

別居時に子どもと離れると不利になることは既述です。相手に一人で出ていってもらうか、自分が出ていくなら必ず子どもを連れて出ましょう。

子どもと一緒に過ごす時間を作る

裁判所は子どもと一緒に過ごせる親を優先する傾向があります。

生活において、なるべく子どもと一緒に過ごす時間をたくさんつくりましょう。

離婚するときの子どもの親権・監護権について

 

石川・富山・福井で弁護活動をする金沢のあさひ法律事務所では離婚に悩む方々のサポートに力を入れて取り組んでいます。親権争いにお困りの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

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