医師と離婚する場合には、一般的なケースとは異なる注意が必要です。
今回は医師と離婚する際に押さえておきたい知識やよくあるご相談内容を紹介します。
1.財産を隠されている
配偶者が医師の場合、一般的な男性より収入が高額なので、財産分与対象も多く高額になりがちです。相手としては、なるべく支払いたくないので「財産隠し」するケースも多くなってきます。
その場合、こちらからしっかり財産調査を行って開示させなければなりません。前提となる財産が少なくなると、当然受け取れる財産も少額になってしまうからです。
考えられる財産内容としては、以下のようなものがあるので、まずは自分で金融機関や証券会社などに問い合わせて確認してみてください。
- 預貯金、現金
- 生命保険
- 不動産
- 車
- ゴルフ会員権
- 株式、投資信託、仮想通貨などの投資商品
- 貴金属や絵画などの動産
相手が開示しない場合、弁護士が弁護士法23条照会を行ったり裁判所から嘱託調査をしたりして開示させる方法もあります。困ったときにはご相談ください。
2.財産分与の割合は?
相手が医師であっても、財産分与の割合は基本的に2分の1ずつとなります。
ただし相手が病院経営で一般より著しく高い収入を得ている場合などには、財産分与割合が修正される可能性もあります。裁判例では妻への財産分与割合を10~30%程度に抑えるものもみられます。
「相手が医師だから財産分与割合を減らす」という意味ではなく、あくまで個別的な判断が必要です。相手から「財産分与は2分の1にできない」と言われたら、鵜呑みにせずにまずは弁護士までご相談ください。
3.親権を取得したい
相手が医師の場合、親権の取り合いになるケースも少なくありません。特に相手の実家が医師の家系で「跡継ぎがほしい」と考えている場合、長男の親権を強く主張してくる可能性があります。
親権者の判断基準として重要なのは、「離婚後どの程度、子どもとかかわる時間を持てるか」です。また離婚時に子どもと同居している親がそのまま親権者と認められるケースもよくあります。
「経済力」「社会的地位」はさほど重視されません。
相手から「子どものためには経済力のある父親が親権者になるべき」と主張されても、妻が親権を獲得できる可能性は充分にあります。諦めずに弁護士までご相談ください。
4.医院で働いているけれど、解雇された
相手が医師の場合、配偶者がクリニックで働いているケースもよくあります。離婚すると相手から「解雇」される可能性がありますが、離婚は法律上の解雇理由になりません。
不当解雇として争うことができますし、どうしても解雇するなら交渉により割増し退職金を払ってもらうのが良いでしょう。
当事務所では医師や経営者の離婚案件の解決実績が豊富です。金沢で離婚を検討されているなら、ぜひとも一度ご相談ください。