相手と話し合っても意見が一致せず「協議離婚」が不可能となったら「離婚調停」や「離婚訴訟」をしないと離婚できません。どのような流れで進めていけば良いのか不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
今回は裁判所を利用した調停離婚や裁判離婚の流れをご説明します。
このページの目次
1.離婚調停の流れ
協議が決裂したら、まずは離婚調停を申し立てましょう。日本では「調停前置主義」が採用されており、離婚訴訟前に必ず離婚調停をしなければなりません。いきなり訴訟はできないので注意してください。
以下で離婚調停の流れをご説明します。
STEP1 調停を申し立てる
離婚調停を始めたいときには、管轄の家庭裁判所で「離婚調停(夫婦関係調整調停)」を申し立てましょう。管轄は「相手方の住所地の家庭裁判所」です。戸籍謄本を取得し、申立書を作成して提出し、受け付けられたら調停が開始します。
STEP2 裁判所で話し合いを行う
申立をすると、家庭裁判所から第1回期日の呼出状が届きます。指定された日時に裁判所へ行くと、調停委員の介入のもとで相手と話し合いをすることになります。
間に調停委員が入るので、お互いに顔を合わせる機会はほとんどありません。DV案件などの場合、相手と絶対に鉢合わせしないように配慮してもらえるので申出をしましょう。
STEP3 調停が成立する
話し合いの結果、お互いの意見が合致したら調停が成立します。
その後2、3日で家庭裁判所から「調停調書」が送られてきます。調停調書を持参して役所へ行き、離婚届を提出したら戸籍を書き換えてもらえます。
離婚日は届出日ではなく「調停成立日」となります。調停成立から10日以内に離婚の届け出をしなければならないので、早めに手続きを済ませましょう。
2.離婚訴訟の流れ
調停が決裂したら、訴訟で離婚を認めてもらう必要があります。以下で流れをみてみましょう。
STEP1 離婚訴訟を提起する
まずは家庭裁判所で離婚訴訟を提起する必要があります。管轄の裁判所は「原告または被告の居住地の家庭裁判所」です。相手に住所を知られたくないなどの特殊事情がなければ、自分の住所地の家庭裁判所を利用すると良いでしょう。
STEP2 期日が開かれる
訴訟を提起すると、裁判所から呼出状が届きます。当日までに相手からも書面が提出され、期日には書面中心に手続きが進められていきます。
何度か期日を重ねて主張と立証内容が整理されると、最終的に本人や証人の尋問を行い、結審します。
STEP3 判決や和解で離婚する
結審したら、裁判所が判決で離婚を認めるかどうかを決定します。離婚を認める場合、申立のあった範囲で離婚条件についても定めます。これにより「判決離婚」が成立します。
結審前に当事者同士で和解ができたら、和解によって裁判が終了し「和解離婚」できます。
離婚調停、訴訟は弁護士までご相談ください
離婚協議が決裂したら、まずは離婚調停を申し立てましょう。調停でも訴訟でも、有利に進めるには弁護士によるサポートが必須です。金沢で離婚を考えている方がおられましたら、是非とも一度弁護士までご相談ください。