熟年離婚するときには、離婚後に困らないように慎重に対応する必要があります。
以下では熟年離婚でよくあるご相談内容や回答を示していきます。熟年離婚を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
このページの目次
1.退職金の財産分与はどのくらいになる?
熟年離婚の場合、財産分与が高額になるケースが多くなっています。離婚後、分与財産で生活していこうと考えている方もおられるでしょう。
特に「退職金」の財産分与でもめる傾向があります。
退職金は、すでに受け取っているかこれから受け取るかで財産分与の計算方法が異なります。すでに受け取っていれば、預金や不動産などに形を変えているので、それらをそのまま2分の1ずつに分けます。
まだ受け取っていない場合には、「退職金見込額」を元に計算します。金額が決定していれば、その金額を基準に計算できます。受け取り時期が数年先になる場合には婚姻年数に引き直して計算します。
退職金の財産分与は複雑になりやすく、自分正しく計算するのは難しくなるでしょう。損をしないように、弁護士までご相談ください。
2.年金分割はどうやってすればいいの?
年金分割には2種類の手続きがあります。1つは合意分割、もう1つは3号分割です。
3号分割は平成20年4月以降の専業主婦などの「3号被保険者」が利用できる年金分割で、合意分割はそれ以外のケースで行う年金分割です。
どちらのケースでも、まずは年金事務所へ申請して「年金分割情報通知書」を受け取ってから年金分割の手続きを進めます。
書類が届いたら、合意分割の場合には相手と協議して年金分割についての同意を取り付け、分割割合を決定しましょう。分割割合は最大0.5(2分の1)となります。
3号分割の場合、相手の同意は不要なのでそのまま離婚してかまいません。
離婚後、合意分割の場合には相手と一緒に年金事務所へ行って手続きを行いましょう。
3号分割の場合には分割を受ける方が1人で手続きできます。
3.離婚後の生活が不安
熟年離婚の場合、離婚後の生活に不安を感じる方が多数おられます。特に婚姻中に仕事をしていなかった方は、離婚後収入がないため貯蓄の取り崩しとなるケースもあるでしょう。
離婚後の生活に困らないためには、しっかり財産分与を受けるべきです。また相手から暴力を受けていたり相手が不倫したりした場合には、慰謝料も払ってもらえます。
財産分与や慰謝料を受け取るには、事前の証拠集めが重要です。話し合いを始める前に財産資料や不倫の証拠を手元に集めて相手が財産隠しや言い逃れをできないように準備しましょう。
ご自身で資料集めするのが難しい場合、弁護士がアドバイスやサポートを行いますのでご相談ください。