自分では離婚を望んでいないのに、ある日突然配偶者から離婚を切り出されて悩んでしまった方からご相談を受ける機会がよくあります。
離婚したくないなら、無理に応じる必要はありません。拒否し続けているだけで婚姻関係を継続できるケースも少なくないのです。
今回は離婚したくない方へ向けて、離婚を回避するための対処方法をお伝えいたします。
このページの目次
1.重要なのは離婚に応じないこと
相手からすごい剣幕で離婚を迫られたら「もう離婚するしかないのか」と考えてしまう方が少なくありません。
ただ、日本では夫婦の一方の意思による離婚が難しくなっています。協議離婚、調停離婚の段階では、夫婦双方の合意がないと離婚が成立しないからです。
相手からどんなに強硬に離婚を求められても、離婚届にサインしない限り協議離婚が成立しません。離婚調停を申し立てられても、調停の席で離婚に同意しなければ「不成立」となって手続きが終了します。
また離婚を求める場合、いきなり裁判はできません。まずは調停を行って不成立になった実績を作らないと、離婚訴訟を提起できない制度になっています。これを「調停前置主義」といいます。
配偶者が離婚を求めてきても、あせらずに離婚を拒絶しましょう。協議や調停の段階で相手を説得できれば、離婚の要求を取り下げさせることも充分に可能です。
2.裁判になった場合
裁判になった場合には、一方が拒絶していても離婚が認められる可能性があります。裁判では以下の5つの法定離婚事由うち1つ以上にあてはまると、裁判所が「離婚判決」を書くので強制的に離婚が成立するのです。
- 不貞
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 回復しがたい精神病
- その他婚姻関係を継続し難い重大な事由
上記に該当する事実を相手が証明できれば、裁判で離婚が認められます。証明できなければ離婚請求は棄却されて夫婦関係が継続します。
3.有責配偶者の場合
もしもあなたが「有責配偶差」の場合、離婚訴訟を起こされたら離婚判決が出る可能性が高いので注意してください。
有責配偶者とは、離婚原因を作った責任のある配偶者です。
- 不倫した
- 生活費を払わなかった
- 家出した
- 暴力を振るった
上記のような方が有責配偶者です。
またどちらにも有責性がなくても、5年以上など長期の別居が続いていれば離婚訴訟で離婚が認められる可能性があります。
4.離婚届不受理申出をする
離婚を拒絶するなら、役所で「離婚届不受理申出」をしておきましょう。
あなたが離婚届に署名押印しなくても、相手が勝手に署名押印して離婚届を提出してしまうおそれがあるからです。そうなったら、役所は確認せず受理してしまう可能性があります。
離婚届不受理申出をしておけば、申出人の意思確認なしでは離婚届が受け付けられなくなるので、知らない間に離婚届を提出されるリスクを避けられます。
突然離婚を請求されて戸惑っているなら、弁護士がアドバイスやサポートを致します。「このままだと離婚されてしまうのでは?」とお悩みであれば、問題が大きくなる前に、早めにご相談ください。