協議離婚するときには、必ず「離婚協議書」を作成しましょう。きちんと約束事を書面に残しておかないと、将来トラブルにつながるリスクが高まるからです。
今回は「離婚協議書」とは何か、作成方法を含めて弁護士が解説します。これから離婚を検討している方は是非参考にしてみてください。
このページの目次
1.離婚協議書の意味と必要性
離婚協議書とは、協議離婚の際に当事者が話し合って決めた離婚条件を書き込んだ契約書です。
協議離婚は、当事者が話し合って「離婚」と「親権者」さえ決めれば成立します。養育費や財産分与、慰謝料などの約束をする必要はありません。しかしこれらの離婚条件についても取り決めておかないと、離婚後に「養育費調停」「慰謝料請求訴訟」などが起こってトラブルになる可能性があります。そこで協議離婚の場合でも、必ず協議離婚書を作成して約束事を明らかにしておくべきといえます。
離婚協議書は「協議離婚合意書」ともいわれます。
2.離婚協議書の作成方法
2-1.書式や使用する筆記具、パソコンの可否
離婚協議書には、特別な書式はありません。パソコンでも手書きでも対応できます。
パソコンを使えるなら、A4の用紙を使って作成しましょう。手書きならしっかりした紙と消えないボールペンや油性ペンを使うのが良いでしょう。
2-2.離婚協議書への記載内容
離婚協議書には、以下のような内容を記載しましょう。
- タイトル
「離婚協議書」というタイトルを書きます。
- 離婚に合意したこと
双方が離婚に合意したことを明らかにします。
- 親権者
どちらがどの子どもの親権者になるのか書きます。
- 養育費
いつからいつまで、いくらの養育費を払うのか明らかにしましょう。振込先を含め、支払方法も明確にしておくようお勧めします。
- 財産分与
誰が誰にいくらの財産分与金を払うのか、不動産や車、保険などをどうやって分けるのか記載しましょう。
- 慰謝料
慰謝料を払う場合には、誰が誰にいつまでにいくらの慰謝料を払うのか、記載しましょう。
- 年金分割
合意分割するケースでは、合意分割することと分割割合を明らかにする必要があります。
- 清算条項
離婚協議書に定める以外、お互いに債権債務関係がないことを明らかにしましょう。
- 作成日付
離婚協議書を作成した日付を入れます。
- 当事者の署名押印
夫婦双方が署名押印しましょう。
書類ができあがったら2通作成し、お互いが1通ずつ所持します。
3.離婚協議書は公正証書にしよう
離婚協議書が完成したら「公正証書」にするようお勧めします。公正証書にしておけば紛失する危険もありませんし、相手が支払をしないときにすぐに差押ができるメリットもあるからです。
離婚協議書を作成する際には、相手との交渉を進めなければなりません。自分たちではスムーズに話し合えない方や書類の作成方法がわからない方がいらっしゃいましたら、弁護士までご相談ください。