配偶者が「投資家」の場合、一般のサラリーマンとの離婚とは異なる注意や知識が必要です。
この記事では投資家と離婚する場合に押さえておきたい知識やよくあるご相談内容をご紹介します。
このページの目次
1.財産が多岐に及ぶ可能性がある
相手が投資家の場合でも、当然財産分与は可能です。ただし財産が多種多様なため、調査が困難となるケースがあるので注意しましょう。
投資家は以下のような財産を所持している可能性があります。
- 日本の上場株式
- 投資信託
- 外国株式
- 各種の出資金
- クラウドファウンディング
- 仮想通貨
- FX
- 不動産
多数の証券会社と取引している人もいますし、全国に多数の不動産を所有している人もいます。
投資家と離婚する場合には、まずはしっかりと財産調査しなければなりません。離婚協議を始める前に、数か月かけて相手の財産内容を把握して資料収集を進めましょう。
ご自身で財産調査するのが難しければ、弁護士照会などを利用して調査する方法もありますのでご相談ください。
2.不動産投資のローンについて
相手が不動産投資を行っている場合、高額なローンを組んでいるケースが多数です。
その場合、残ローンも財産分与対象になるのでしょうか?
不動産購入の際に組んだローンは、基本的に「物件価値から差し引く」ことによって財産分与に反映させます。差引の結果、プラスになればプラス部分が財産分与の対象になり、マイナスになった場合には財産分与の対象から外れます。
たとえば1億円の不動産を購入するために1億円のローンを組んだとしましょう。離婚時の残ローン額が8千万であれば、1億円-8千万円=2千万円が財産分与の対象です。
一方、物件価値が下がって離婚時に7千万円となっていたら、7千万円-8千万円=-1千万円なので、財産分与の対象になりません。
このように不動産投資を行っている場合には、「離婚時の不動産の評価」が重要なポイントとなってきます。必ずしも「購入価額」とは一致しないので、注意深く財産価値を算定していきましょう。
3.共有にはしない方が良い
不動産を財産分与するとき「夫婦共有」にする方法があります。離婚後も夫婦で2分の1ずつ不動産を共有し、その後も賃料を分け合うことになります。
しかしこの方法は基本的にお勧めしません。共有にすると、将来リフォーム、抵当権の設定売却など行う際に相手の了承が必要となり、トラブルの原因になるからです。
できる限りお金で清算するか現物分割で分けてしまうのが良いでしょう。
投資家と離婚するときには、周りに参考となる例が見当たらず困ってしまう方も多いでしょう。当事務所ではあらゆるケースにおける財産分与に対応していますので、迷われたらご相談ください。